“病”は“自然現象”である。
ふと、その言葉が浮かんだ。
風が吹くように、雨が降るように、
日差しが強くなり暑くなるように、
寒くなるように、
地震が起こるように・・・。
「病も自然現象である」
社会には、その認識が欠けているのではないか。
風も雨も止められない、
日差しが強くなるのも止められない。
地震を止めることはできない。
風や雨をよけ、暑さをよけ、地震を予知できたとしても
現象そのものを止められない。
その同じ自然現象であるはずの“病”を安易に
止めてしまっていいものだろうか。
根本的にではなく、対症療法で・・・
「病は自然現象である」という認識があれば、
むやみにその現象を止めようとしないであろう。
症状を止める、もしくは緩和させるために
薬を使用するのも、手術をするのも
もっともっと慎重になるはずだ。
川の流れをただ、せき止めてしまったら、
いつかは、堰を切って、大水が押し寄せ、
周辺は大変な被害をこうむる。
病院に通うたび、どんどん病が重くなっていく人が
少なくないのは、そういうことではないだろうか。
川の水をせき止めるのだって、
ダムを作り、水量を調節しながら流す、
周辺の環境に考慮する・・・など
慎重に行わなければならない。
それでも、いろいろな問題が起こってしまう・・・。
ある意味で、“病”は人間の体の中の1つの“流れ”である。
もし、それをせき止めるなら、
慎重に慎重に行わなければならないのだ。
そうした認識があれば、自然に任せたほうがいいという
選択になるかもしれない。
もしせき止めるなら、極力その期間を短くするとか
そういう考えも出てくるであろう。
「薬は副作用があるから、できるだけ使わないほうがいい」
という考えでは、浅いし、選択をあやまることがあると思う。
「副作用がなければ、どんどん使ってもいい」という考えに
つながるからだ。
「病は自然現象なんだ。それを無闇に止めてしまっていいものだろうか。
大丈夫なのか。その病を止めると、そのためにもっと他の
自然現象が起きててしまうのではないか」
よくよく研究しなければならない。
現代文明は、そうするべき時期に来ている。
切実に、そう思う。
(END)
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