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April 17, 2005

誰でも化学物質過敏症になりうる!

CX『とくダネ!』で、『子どもに忍び寄る現代病』
 先週、CX『とくダネ!』で、『子どもに忍び寄る現代病』ということで、“化学物質過敏症”のことを紹介していた。空気や食べ物、皮膚・・・などを通して体に侵入してきた化学物質によって神経系に影響を与えられ、過剰に反応してしまう。吐き気を催したり、湿疹ができたり、ときに歩けなくなったり・・・。そのためずっと学校に通えない子もいる(シックハウス症候群などもその一部である)。

『とくダネ!』の特集、ここが抜けていた!
 VTRでは化学物質過敏症の子どもをもつ親が、新しい家から築数十年の古い家に引っ越したり(古い家の方が塗料や建材などから化学物質が出ない)、学校より配られた教科書の1枚1枚を物干し竿に干すことによってインクをとばそうとしていたり、“涙ぐましい”までの努力をしていた。
 総じて、その内容(VTR)はよかったが、スタジオでの受け方(コメント)も含めて、制作者がもう1歩わかっていないなと感じた部分がある。ぼくもそれ程、詳しいわけではないが、大切なことであると思うから付け加えさせていただく。

小倉智昭&デーブ・スペクター両氏、そんな事言わないで!
 VTRを受けてのスタジオでのコメントであるが、
コメンテーターのデーブ・スペクター氏は、(正確には覚えていないが)「同じように化学物質の中にいても、化学物質過敏症になる人と、ならない人がいる。ほとんどの人がならないのに(どうしてVTRの子どもたちはなったのでしょう)・・・」
 司会者の小倉智昭氏が「化学物質過敏症は初めて知りました(めったにいないというニュアンスで語っていた)」
 ようするに、“化学物質過敏症”はめったになるものではなく、なった子どもたちはかわいそうである、といったことが、この特集全体から感じられたのである。

化学物質が器に入りきらなくなって、こぼれる!
 そうではないのである。“化学物質過敏症”は誰もがなる可能性があるのである。一部の子どもだけではない大人でも化学物質過敏症の人は増加している。
 現代人は体に、どんどん化学物質を取り込んでいる。そして、体に入った化学物質は排便・排尿・発汗などで体の外に排出したものの以外は残存する。それが、たまりにたまって自分の“器”に入りきらなくなり、漏れこぼれるのが、“化学物質過敏症”の発症なのである。
2005417_037(※写真はわかりずらいかもしりませんが、水が、めいいっぱい入ったコップにさらに水道水が流されたために、あふれ出るところです)。


化学物質を入れられる量は三者三様

2005417_045
 そして、一人一人“化学物質の入る器”の大きさは違う。
 大きい人もあれば、中くらいの人もいれば、小さいのもある。子どもは、体も小さいし、その器は大人よりずっと小さい。だから、子どもは特に危険なのである。
  この“器”ととらえる考え方は、NPO法人『化学物質研究会』主催の講演会で学んだのだが、とてもわかりやすいと思った。
 そして、自分の、化学物質が入る器の大きさなんて、誰にもわからない
「もうちょっと、私の体には農薬が入るわ」
「まだまだ殺虫剤をすっても大丈夫!」
なんて、誰も言えない。「自分は大丈夫!」なんて気軽に構えていても、もしかしたなら、自分の体内にも「化学物質過敏症」寸前にまで、化学物質がたまっているかもしれないのである。

世界中が化学物質過敏症になるとき
 今、ここで正確なデータは示せないが、大人も子どもも増加している。おそらく、このままでいくと、どんどん増えていくだろう。私は、大丈夫!といっていた人が、いつ塗料の臭いでぶっ倒れてしまうというようなことが起こるかわからないのである。数十年生きてきてピンピンしていた人が、今年、突然、“花粉症”になったように・・・。

 そして、もう1つ、大切なのは、化学物質過敏症として発症しなくても、化学物質が原因で多くの病気が引き起こされているという事なのである(このことに、ついては、おいおい述べさせていただきたい)。

 危機感を煽るのは好きではないが、『とくダネ!』特集の認識の弱さは、一般的にも当てはまることだと思うので強調しておきたい。    (END)

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Comments

はじめまして!

この化学物質過敏症の話、とても共感がもてました。

私の祖父は家をリフォームしてから喘息が出るようになりました。
一番弱い人に症状が出るんですよね。
怖いことです。
乳がん、前立腺肥大、これらかはこんな病気が化学物質のせいで増えてくるでしょうね。
子供達のためにもなんとかしなくてはいけないですね!

私はマクロビオティックをしていて、花粉症がかなり改善しました。
食事に気をつけ、生活環境を日本人は見直さなければならないかもしれないですね!

Posted by: you | April 18, 2005 12:06 PM

youさま。コメント、ありがとうございます。
おじいさま、お気の毒です。自分も喘息であるだけに特にご高齢な方は体力もないし大変だろうと思います(私の父もそうでした・・・)

うちの子どもも、0歳の頃、アトピーで血だらけだったのですが、“食事”と“生活環境”の改善等によって治りました。

ほんとう、子どもたちのためにもなんとかしなくてはなりませんよね。

Posted by: モモタロウ | April 18, 2005 06:27 PM

はじめまして☆
私もTV見ました。
過敏症の方が特別ではなく
皆の周りにしのびより  いつ我が子に・・・
その位恐ろしい事なのですよね。

小倉さんのコメントもですが、
映っていた校長先生の意識の低さにも
ガックリきました。

と、言う私も
数年前までは 全くの無知でしたが
友人から 有害化学物質の恐ろしさ
食べ物より 吸引・経皮吸収の方が
病の原因でもある事を知り
意識が変わったのですがね・・
そんな事を教えてもらわない限り
一生 毒入りの
そこらに売っている日用品を CMに誘われながら 使っていってたのかと思うと・・・
寒気がする位です。
 
子供のためにも 世間のお母さん方は
知らなくては ならない事で
甘くみてはならぬ事なのですがね・・・

Posted by: ラスタベル | April 18, 2005 10:25 PM

ラスタベルさま
コメント、ありがとうございました。

ほんとう、認識が弱いですよね。
以前『買ってはいけない』という本が話題になりましたが、さんざん叩かれ、あの内容はウソだと思っている人もいるでしょう。
ビジネス優先の社会です。

 ただ、自分の周囲を見渡しても、街に出ても、化学物質ばかりです。石油化学製品等が満ち溢れています。(April 11.2005の『化学調味料の入っていない服がほしい』をもしよかったら見ていただければと思います)

 完全に避ける(ようするにいろいろな症状として発症していない、因果関係が科学的に実証されなくとも危険であるということでも避けるのは)難しいと思います。その中で、子どもや自分の体をどう守っていくのか?途方にくれることもあります。。。

 いいアイデアがあればお教えください。

 

Posted by: モモタロウ | April 19, 2005 11:18 AM

初めまして。今頃になって突然のトラックバック、すみません(汗)

私はあの特集に出て来た某病院へ通っているのですが、放映を見た時、モモタロウさんと同じ感想を抱きました。
とはいえ、例えば友達に
「農薬中毒(化学物質過敏症のひとつ)なんだー」
って話をしても、いまいち理解してくれる人はおらず、自分自身、
「シックハウス症候群のヒドイやつ?」
みたいな説明でお茶を濁している始末;

身内にさえ正確に理解してもらえないことを、他人に解ってもらうのは難しいですね…。
子供さんだけでなく、私のように成人してから罹患して、さらに慢性化させてしまっている人は多いと思います。
けれど実情は、アレルギーやこういった新しい(?)病気を認識している病院が少ないのが現実。

せめて子供だけでも守りたいですよね…。

Posted by: れいん | May 10, 2005 12:05 AM

れいんさん
コメント、ありがとうございます。
「身内にさえ正確に理解してもらえないことを、他人に解ってもらうのは難しいですね…。」
ほんとう、そうですよね。ぼくは他の病気なのですが、病気の苦しみだけでなく、それを世間の人がわかってくれないという苦しみも大きいのだということを知りました。まして化学物質過敏症(有機リン中毒症)を世間の人に理解してもらうのは大変なことでしょう。それに子どもはテレビなどで注目されやすいのかもしれませんが、大人の過敏症はますますわかりにくいのかもしれませんね。(れいんさんの記事にもコメントしました)

Posted by: モモタロウ | May 10, 2005 06:59 PM

8月29日、本日の読売新聞の医療ルネサンスに出た、過敏症患者の杉崎順子です。ただいま署名活動をしております。家探しもしています。なにか情報がございましたら、私のHPか、娘のブログにお寄せ下さい。よろしくお願い申し上げます。「ガイアの夜明けの杉崎順子です」ttp://yoriyoriko.web.fc2.com/  「モスカルのCS日記」ttp://rararabit.blog5.fc2.com/

Posted by: 杉崎順子 | August 29, 2008 11:29 AM

杉崎順子様

お教えくださってありがとうございます。
お訪ねさせていただきます。
ご回復を心よりお祈りしております。

Posted by: 百太郎 | August 29, 2008 11:18 PM

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