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April 11, 2007

ふりかえってみれば、バランス

学生時代、昼間、授業に極力出ずに欠席して、

古今の名著を読み、作家を目指す一方で、

夜は、よく、酔ってドロドロになるまで飲んだり、

新宿・歌舞伎町や六本木のディスコにも通った。

一時は夢中になった。

(新宿はB&B、そんな名前じゃなかったか?)

                                                      

大学で知り合った親友が、

中学生時代はバリバリの硬派の不良、

(眉毛をそり、ソリコミを深く入れていた)、

高校は途中から軟派の不良で、

ディスコ行ったり、サーフィンをしたりしていた

奴だったからだ(当時ツッパリと呼ばれてる

連中はこのような見事な“転換”があったようだ)。

彼は、もう高校時代から、アル中になっていた。

                                                      

そいつからよく言われた。

「おまえの踊りを思い出すと気持ち悪い」

あきずに通っていたけれど、他人から見れば、

ちっとも、うまくならなかったようだ。

ステップが剣道の“すり足”になっていたの

かもしれない。

今、思い出すだけで赤面する。

                                                      

彼とは、もうだいぶ連絡をとっていないけれど、

思えば、この出会いのおかげで、自分の世界がぐんと

広がった。心より感謝している。

ぼくは、中学高校時代は、剣道と勉強(できはよくなかったが)

しかやってこなかったような生徒だった。

親や親戚が教師だらけ(笑)という基本的にマジメな家庭で

育ってきたということもある。

                                                      

ところが、学校を卒業して、

彼はなんと、教師(小学校)になってしまった。

ぼくの方が、どちらかというと、ナンパな業界

に入ってしまった。

今思うと、学生時代、本を読むだけでなく、

彼といっしょに、飲んだり、ディスコに行ったり、

ときには常識に反するような行動(?)を

いろいろしてよかったのだ。

本を読むだけで世間を知らなけりゃ、

バラエティー番組のみならず

情報番組、ありとあらゆる番組が作れない。

アイデアを出せないし、台本も書けない。

                                                       

一方で、元不良(笑)の親友は、

生徒の心をよくつかめる教師になった。

タレントの紳介なんかも

自分の経験からたびたび口にしているが、

(とくに当時の)“不良”とよばれる彼らは、他人の心を

つかむのがうまい。人情の機微を知らなければ、

仲間の中で生きていけないからだ。

それを存分に発揮して、生徒の心をがっちりつかみ、

クラス全体を誘導できる先生になった。

彼の隣のクラスの先生が、

ある有名な大学の教育学部を出た

成績優秀で教師になった人だったが、

クラスをまとめられなくて、困っているという。

やはり、教師も勉強だけじゃだめなんだ。

                                                       

それにしても、おもしろいもんだ。

こうやって、ふりかえってみると、

大学時代の親友の人生も、

自分の人生もうまい具合に、バランスが

とられている。

そんなこと決して、意識してやったわけでもないし、

意識してやれるものではないだろう。

                                                      

彼との出会いも、まさに偶然だったのだ・・・。

                                                          

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