今日もひとり行く
歩いていたら、テニスコートでかつての若人
たち(つまり、おばさん、おじさん)が、
にぎやかに、笑い声をあげながら、
楽しそうにテニスをしていた。
それを横目でみながら、
こっちのかつての若人(つまり、自分のこと)が、
すたこらすたこらさっさと歩いて行く。
「変わらないなあ・・・」。
思わず、ため息をついてしまった。
学生の頃の自分は、
ミニスカートをはいた
キャピキャピのギャルたち(当時の言葉のつもり)が、
コートで男子たちとテニスに興じているのを、
横目で見ながら、
いや頭の中からその姿を懸命にふりはらおうとしながら、
喫茶店や図書館に向かい、
いつでもたった一人、本を読んでいた。
あの頃も一人、今日も一人・・・
そんなことを思いながら、姿勢を正して歩いて行く・・・
かつてはコートの中が目映く見えた。
そして、
性への激しい衝動で悶々としながら、
コートの外にいる自分が
なんだか惨めに思えるときもあったけど、
今は思う。
これでいいのだ。
おれはおれの道を行く。
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