この虚偽だらけの世の中で
この虚偽だらけの世の中で
ピュアな魂が生きていくためには、
傷つけられなければならない。
ところが、自分が傷つくだけならいい。
何よりもつらいのは、
誰かを傷つけることだ。
誰かを傷つけてでも、
人は生きていく値打ちがあるのか。
ふとよぎるとき、
全身の力が一気に抜けてしまうことを
感じる。
自分という存在がうすいだけに、
その生きていく基盤はもろくも、
くずれやすい。
だからこそ、人は生きていくために、
心の眼を閉じてしまう。
自分をごまかさなければ
心はこわれてしまうかもしれないと
いつも恐怖におびえて、
自分をだまし、ずるく立ち回っていく。
心が殻をかぶっていく。
こうして、魂が泥にまみれていく。
汚れているからといって、
誰がこの魂を責められよう。
弱いことは悪いことなのか、
と問い返しても、
誰もこたえてはくれない。
ただ、そこには、冷ややかな眼で
見る自分がいるだけだ。
いや、冷ややかな眼で見る
自分を無視し続けている
哀しい自分がそこにいるだけだ。
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