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May 11, 2008

芸人や役者を見る眼

芸人とか役者とか、歌い手・・・、

彼らを“見る”のも

私の仕事だった。

なぜならば、ドラマはもちろん、

バラエティーや情報番組、

ドキュメンタリー、

ラジオのパーソナリティー、

あらゆる番組で、

キャスティングを提案するのが

作家の仕事の一部だったから。

だから師匠からは

その点においても、

徹底的に叩き込まれた。

いや、

「だから」というばかりではない、

おそらく自分のもっているものを

いろいろ伝えようと

してくださったのだろう。

日頃の「直接、すぐに金に

なる範囲」を超えて、

お教えいただいた。

仕事場で企画を考えるときは

もちろん、

雑談においても

プライベートで

テレビを一緒に見るときも

誰それはどうだ?(演技や芸、歌、

またシナリオなど)

と聞かれて答える。

時には、イラストなどの

絵もあった。

見方が違うと

そうじゃないと叱られる

こともある。

だから、どうしても

普段から真剣に

ものを見るようになる。

師匠は、作家としてのみならず、

音楽の方も

才能があり、

歌い手を育てたり、

作詞家としても

売れてきた人だった。

だから、人気歌手でも

今売れているだけでは

認めない

アニメの方でも

脚本、プロデュースでも

かなり売れてきた人なので、

絵の見方にも

相当の見識があった。

その見方というのは

つまりは、

ほんものか、

にせものかを見分けるものであり、

長続きするか、

しないかでもある。

パッと売れて

散っていくような

者はまったく

認めていない。

喜劇系の役者では、

かつては森繁、

今は伊東四朗を

認めていたということだけでも

そのレベルが分かるであろう。

それは、駆け出しのものを

見る場合、

うまく育てれば

そういったレベルにまで

達する可能性がある者を

見つけるという

ことである。

おかげで、

自分もそこそこの

見る眼が養われたと

自負している。

たとえば、

お笑いで、

今、爆笑問題が

看板番組をいくつも

もって超売れっ子であるが、

私は、彼らがまったく

駆け出しのころ、

オーディション番組で見て、

こいつらは伸びる、

とくに太田はいい、

そう思った。

それで、番組改編期に

あるラジオの製作会社の

ディレクターやプロデューサーに

彼らをパーソナリティーに

使ったらどうかと熱情をもって

企画を出したところ、

まったく無名なのは

駄目だと、ボツに

なってしまった。

ところが、いまは

どうだろう。

もし、そのとき、

使っていたら、

その制作会社は

もっとビッグになっていた

“かも”しれない。

それからある

作家の先輩から、

CSが日本でも始まったころ、

今度、CSのあるチャンネルで

お笑い番組が

始まるんだけど、

いいやついないかなと

いわれたので、

私は、「かいじゃりすいぎょ」

(正確な漢字を忘れた)が

いいですよ。

と紹介した。

でもその先輩は

「かいじゃりか・・・」

といって、請合って

くれなかった。

ところがこれもどうだろう。

今は、クリームシチューと

改名して、看板番組を

いくつかもちはじめた、

売れっ子になっている。

ここまで来るには

あれから、十年以上の

歳月が経っているが・・・。

まあ、そうやって私が

紹介して、

相手が採用してくれないというのは

自分に力がないということの

裏返しでもあるわけだが、

とにかく見方は間違って

いなかったということ

ではある。

ところで、当時も、

同じような若手の

芸人がやまほど

いたなかで

彼らの何がいい

と判断して、

プロデューサーなどに

推薦したのか。

つまるところ、

かつて師匠からも

教わった言葉、

「サムシング」

ということになるであろう。

彼らには、

他の者にはない

「なにか」があったのだ。

それが私には

「見えた」という

ことなのである。

(その「なにか」が

どういうように見えたかは、

それぞれの見る対象に

よって異うので

ここではいうまい)

とにかく、

師匠のお蔭で、

お笑いばかりでなく、

歌手や役者、

作品などの見方を

ある程度、自信が

持てるまでに養っていただけたのは

確かであり、

感謝している。

それとともに、

今の境遇でそれを

生かせてないのが

非常に残念に思うし、

申し訳なく思う。

ただここで一つ

だけ付け加えて

おかねばならないのは

情実がからんでしまうと

てんでその目が

狂ってしまったという

ことである。

知り合いの人から

ぜひこの子をよろしく、

とか、

自分が長くやっていた番組に

出演した役者など

贔屓目や

情けが入って

しまったとき、

紹介して失敗した

ということになって

しまったことばかりである。

このことは

これからも

自己の眼を

養い修行し続けねば

ならないし、

自分の見る眼は

“まだまだ”

であるということが

端的に

表れた事実である

と思っている。

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