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July 02, 2008

もう、ありのままを受け入れてくれる人とだけ・・・

もう、ありのままの

自分を受け入れてくれる人とだけ

生きていければいい。

たとえ、そういう人は

すごく希少であるにしても…。

学生時代、

ある女の子は、ぼくが

喫茶店で、その子のジュースに

指を突っ込むふりをして

ちょっとずらして驚かすという

じつにたわいのないイタズラを

したようなとき、

ぼくのニックネームをいって

「○○らしい」と、

ゲラゲラ笑っていた。

彼女といるとき、新鮮だった。

それまで

なにかというと、

マジメだ、まっすぐだ、

何か自分がやったことに対して、

すごい!とか

そんなほめ言葉しかもらった

ことはなかったからだ。

真面目、

正直、

がんばりや・・・・

それは、

おそらく、

他人を意識して

つくりあげた

自分の身を守るための

「鎧(ヨロイ)」である。

ぼくより

3,4歳は年下であったのに

彼女は、

「ほんとうのぼく」という

ものを見てくれていたのだろう。

それいでていつでも

好意的であった。

だから、その子の前では

“自然に”振舞えた。

これまでの人生の中では

数少ない、

今思えばとても大切な人である。

ところが、

なにもわかっていないぼくは

ひどいことをしてしまった。

ちょっと見た目には、

かわいい顔をして

男性からもてるタイプだった

彼女の親友を

自分に紹介してくれと頼んだ。

ぼくに明らかな

好意を示してくれていた

彼女に向って、

「おまえなんか、いやだ。

おまえがいつもいっしょにいる

女のほうがずっといい」

と面と向って告げるのに

等しい依頼を

してしまったのだ。

彼女の親友は

自分のほんとうのことなんか、

少しもわかってくれない、

おそらくわかるときは

永久に

こないだろう人なのに…。

ぼくのほんとうの姿に

関心をもっていた

わけではないのだから。

自分はいつもそうである。

男女を問わず

自分にほんとうの意味で

好意を寄せてくれる人からは

離れようとしてしまう。

そして、

逆に自分に興味をもっていない、

ときに自分に

悪意すら抱いているであろう

人間を追いかけてしまう。

その人間への憎しみを

心の奥底に溜め込みながら。

それは「押さば引け、

引かば押せ」

という駆け引きのような

意図的なものではなく

もっと無意識から

来ている行動である。

だから、絶望的な

結果となる。

人の愛を受け入れられない、

そして永久に人を愛せない、

人間とは自分のような者の

ことなのかもしれない…。

ぼくに心を開いてくれた、

そして

ぼくが心を開くことができた、

“めずらしい人”である

“彼女”のしあわせを

今はただただ、

祈ることだけしか

できることはない。

           

(追記)

 だから、

前の記事で紹介した

この歌はよくわかる…

「06.wma」をダウンロード

                                         

                           

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