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July 01, 2008

冷酷 2

妹の結婚式のとき、

とめどなく涙が流れたのは

今思えば、

ぼくの魂の悲鳴だったに

違いない。

そのとき、

いまだに白いもやの

只中に一人、

ポツリとしていた。

ぼくが泣いているのを見て、

母は…、

これまでこの母の言葉を

見つめるのが怖くて

無意識に

目をそらしてきたのだが…、

母は、

「みっともないじゃない」

とたしなめた。

ぼくの心を知ろうとは

これっぽっちも

しなかった。

ずっと、一番、冷酷だったのは

母だったのかもしれない。

四十も半ばに近づいた今、

ようやく気づく。

母はもう亡くなって

9年経っている。

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