ぜんそくの原因となる細胞が発見されたそうだ(※下記参照)。
「肺に多く分布するナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)にだけ出現するインターロイキン(IL)-17RBというたんぱく質に着目。(中略)IL-17RBを持ったNKT細胞が気道過敏症を引き起こす「悪玉細胞」だと結論づけた」
ところで、自然医学で有名な森下敬一氏(医学博士)はかつてこう書かれている。喘息の原因となるタンは気管粘膜の炎症によってでるとした上で、
「ところで、炎症はどうしておこるかというと、体細胞の抵抗力の弱っているところに、血液中の毒素が働きかけるためだ。血液中に毒素が入っているということは、血液が酸毒化されているということで、体細胞の抵抗力が弱っているのも、もとを正せば、この酸毒化した血液に養われていることが原因である」(1990年発行『クスリをいっさい使わないで病気を治す本』より)
と書かれている。この本は、『クスリを使わない慢性病の治し方』を再編集したものだそうで、そちらは1990年よりもっと発行が古いであろう。森下氏は、「悪玉細胞」が発見されるずっと前から、喘息の原因は細胞にあるとされてきたのだ。
しかも、森下氏は、喘息の原因となる細胞。その細胞の質は、食事によってどのようにも変えられるという。
「われわれの体細胞は少しずつ新しい細胞によって置き換えられている。その新しい細胞の原料は食物である、食物の質が変わり、それによって血液の質が変われば、必然的に体細胞の質も変わってくる。だから、質の良い食物を摂らなければならない。
質のよい食物とは、本来の人間の食性に適合した穀・菜食である。この生理にとって自然な食物によって、生理機能全般が正常化される。すなわち体質は改善されるわけで、アレルギー体質も、必然的に解消される」(前掲書より)
「IL-17RBを持ったNKT細胞が気道過敏症を引き起こす」という記事を他の新聞でも読んだが、そこにはこの理論に基づく新薬の開発が期待されるといったことが書かれていた。
ようするに、新薬を待つまでもなく、食事などによって細胞を変えればいいのである。
一筋縄ではいかないのではあるが。
毎日jp (毎日新聞 2008年11月17日 23時18分)より
ぜんそく:「原因細胞」を特定 理化学研、新薬開発に期待
アレルギー性ぜんそくなど気道過敏症の原因となる体内物質を作る細胞を、理化学研究所がマウス実験で突き止めた。ヒトにも同じメカニズムがあると考えられ、症状を抑えたり発症を予防する新薬の開発につながると期待される。17日付の米実験医学誌に発表した。
理研によると、国内のアレルギー性ぜんそくの患者は約300万人。慢性化すると、気管支拡張薬やステロイドなどを用いる対症療法が中心となり、根本的な治療法は確立していない。発作的なぜんそくや、せきを起こす直接の原因物質は分かっているが、これらがどの細胞で、どう作られるのかは不明だった。
研究チームは、マウスのさまざまな免疫細胞で遺伝子の働き具合を調べ、肺に多く分布するナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)にだけ出現するインターロイキン(IL)-17RBというたんぱく質に着目。人為的にNKT細胞を欠損させり、IL-17RBの働きを止めたマウスでは気道の炎症が起こらないことを確認し、IL-17RBを持ったNKT細胞が気道過敏症を引き起こす「悪玉細胞」だと結論づけた。
渡会(わたらい)浩志・上級研究員(免疫学)は「アレルギーの原因物質にさらされた初期段階で何が起こるかが分かったことで、ぜんそくが慢性化する前に予防できるのではないか」と話している。【西川拓】
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