「不安」にならずに「危機感」をもつ~未曾有の世界恐慌を向かえて
一昨日(15日)テレビをつけたら
テレビ東京の『カンブリア宮殿』
ユニクロの創業者、
柳井正氏(ファーストリテイリング 会長兼社長)
が出演していた。
せいかくな表現は忘れたが、
番組の司会者である村上龍氏(小説家)と
以下のような会話をしていたのが印象に残った。
これまで「危機感」をもつことの大切さを強調してきたが、
最近、「余裕」のある「危機感」でなければならないと思う
と村上龍氏。
それに応えて柳井正氏も、「不安」になってはいけない。
好調のときに、「危機感」をもつべき。
「不安」にならずに「危機感」をもつ。
これは、経営のみならず、生きていく上で
必要な真理であろう。
偏らないところにあるのではないか。
「危機感」をもっているだけではいけない。
常に「安心」しているだけでもいけない・・・。
「余裕」ということでは、勝海舟が
「余裕のある人間たれ」と『氷川清話』の中で
述べている。
「君らには見えないか。大きな体をして、小さいことに心配し、あげくの果てに煩悶しているものが、世の中にはずいぶん多いではないか。だめだよ。彼らには、とても天下の大事はできない。つまり、物事をあまり大きく見るからいけないのだ。物事を自分の思慮のうちに、たたみこむことができないから、あのとおり心配した果てが煩悶となって、寿命も縮めてしまうのだ。全体自分が物事をのみこまなければならないのに、かえって物事の方からのまれてしまうからしかたがない。これもやはり余裕がないからのことだ」
(勝海舟『氷川清話』より。傍線・太字は小生がつけました)
ここで思い出したのが経営者、稲盛和夫氏の
「土俵の真ん中で相撲をとれ」という言葉である。
土俵際に追い詰められ相撲に勝っても、
技は「うっちゃり」しかないであろう。
しかし、土俵の真中であれば、
ありとあらゆる技が使えるのだ。
「土俵の真ん中で相撲をとれ」との言葉を思い出して、
稲盛和夫著『成功への情熱』のページを開いてみる。
すると、
「余裕が充分にある段階においても、
危機感を持ち必要な行動を起こすことが大切です。
これが安定した事業の秘訣なのです」
とまさに、冒頭で紹介した
村上龍氏と柳井正氏のトークをまとめたような
言葉があった。
これは「安定した事業」のみならず
「安定した人生」にも
あてはまるであろう。
いよいよ「世界恐慌」に突入した。
2009年はいっそう大変な年になろう。
個々人はまだ少しは「余裕」のある
いまのうちに、危機感をもって
「行動」を起こすべきだ。
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