睡眠削っても―人生を真剣に生きる1つの秘訣
世の中にはさまざまな
見方・考え方があり、
正反対のことを主張している人もある。
たとえば、
玄米を体にいいという人もあれば
なかには、よくないという人もいる。
昔でいえば、
明治時代の
福沢諭吉の「痩我慢の説」。
勝海舟は、元幕臣でありながら、
新政府において爵位ももらい、
栄達していることを批判した。
ところが、勝は
行蔵は我に存す。
毀誉は他人の主張。
我に与らずと存候。
新政府に出仕するも
しないも、自分の責任で
することだ。
謗るのも誉めるのも、
結局はそれをいう人の
主張に過ぎない。
と、相手にしない。
福沢諭吉と反対に
勝海舟が新政府で活動したことを
誉める人も中にはいたであろう。
このように、
世の中は、
陰と陽、
男と女
・・・
と正反対のものでできている。
その両方を学び、
自分はどう対処したらいいのか
見方・考え方―見識を
培っていくことこそ、
人生の生きがいの一つであろう。
前回の健康記事で、
「睡眠は大人で一日、
8時間はとるべき」
という西原博士の見解をご紹介した。
今回は、健康ネタではないのだが、
それとは反対の
睡眠時間を削るお話を紹介したい。
西田幾多郎、そして、西晋一郎門下に学んだ
哲学者であり、
国民教育の父と呼ばれる
教育者でもあった
森信三先生(故人)は、
こう述べられています。
睡眠というものは、
必要に応じて伸縮自在なるべく、
「何時間寝なければならぬ」
というような固定観念を打破して、
必要に応じては五時間、
三時間はもとより、
時には徹夜も敢えて辞せぬ
というくらいの覚悟が
必要でしょう。
そしてその場合大事なことは、
「昨夜は何時間しか寝ていないから、
躰に障わるに違いない」
というような考え方を
一擲して、
「ようし!!昨夜は
正味三時間半しか寝ていないが、
これで七時間、八時間も寝ていた
連中と同じ仕事をして、
一体どれほど遜色なくやってのけられるか、
ひとつ験めしてみよう。
それには全く絶好の機会だ!!」と考え、
全力を挙げて仕事と取り組むわけで、
これも人生を真剣に生きる上での
一つの秘訣といえましょう。
『不尽片言』より
睡眠時間を伸縮自在で生きられた
森信三先生は、96歳まで生きられた。
西原博士の睡眠時間8~9時間も
明快な理論の元に主張されている。
8時間以上を守るか、
伸縮自在にするか、
それとも別の立場をとるか、
は、その人次第であろう。
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