非専門家の専門家~自由をもとめた巨人 (前編)
「非専門家の専門家」、
さきごろ亡くなられた
評論家、加藤周一さんのかつての志を
その追悼記事(朝日新聞に2008年12月6日朝刊)に
こう書いている。
(前略)しかし、自由に生きることほど、
この世間で『不自由』を強いることはない。
自伝的著書『続・羊の歌』に
『ひそかに非専門家の専門家になろうと志していた』
と記す。その強い決意で古今東西万巻の書や
芸術との『対話』や、多くの海外経験を通じて
肌で感じた学識から組み上げた、
『知』の深さへの自身だったのだろう。
「非専門家の専門家」・・・。
師と仰ぐ方から
「専門をもちなさい」
といわれ、それから数年経ち、
いまだに明らかなものを
もてないでいる
自分にとって、一見救いにみえる
視点であるが、
よく考えてみれば、
加藤周一なればこそできた芸当であろう。
(次回につづく)
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