大塩平八郎は『呻吟語』を愛読していた。
西郷隆盛が傍線を入れて熟読した
大塩平八郎の『洗心洞箚記』を
西郷の死後、薩摩の家を訪ねて譲り受け、
繰り返し読んだのが、頭山満である。
私は幕末明治の人物の中で
もっとも尊敬する一人が西郷だし、
その西郷を生涯敬慕してやまなかった
頭山満に魅力を感じてやまない。
最近、『洗心洞箚記』(タチバナ教養文庫)を
購入した。そして大塩平八郎が、
呂新吾著『呻吟語』を愛読していたことを知った。
以前より『呻吟語』に惹かれており、
今も、じっくり味読しているだけに“感激”した。
この本にはこうある。
呂新吾の『呻吟語』は、大塩平八郎を陽明学に導く契機になった、処世哲学をのべた秀逸な書である。処世哲学の書としては『菜根譚』も著名であるが、『実政録』という実務完了の基礎教本をも著した呂新吾に対しては、実務に苦労した大塩平八郎は共感するところが多かったにちがいない。
ところが、ずっと以前に読んだ
安岡正篤の『呻吟語を読む』にも
大塩平八郎が『呻吟語』に強い影響を受けたことが
書かれていることを最近知った。
読み流して
記憶に残っていなかったのだ。
一方で、現在は同じことに感激する。
時機によって、
こうも違うものなのだ。
The comments to this entry are closed.
Comments