文章は経国の大業というけれど・・・
文章は経国の大業にして、
普及の盛事なり。
魏文帝 典論
〔訳〕
文章は国家を経綸する大事業であり、
また永久に朽はてることのない
盛大な事業である。
古くからある中国の故事。
文を志しているものにとっては
とても励まされる言葉である。
しかし、
をの記事をみて、
心より賞賛するとともに、
ふりかえって
「おれは何をやってんだろう」
と少しへこんでしまう。
一方は、命懸けで戦火の中に飛び込んでいく、
一方は、あたたかい家の中で
ぬくぬくとしている。
反省でとどまるならいいが、
そういうコンプレックスは、
しまいには、
その医師は知り合いがガザにいるから
行けるんだとか、
どうせ、名声目当てだろうなどと
僻(ひが)んだものの見方に
つながっていく。
そうならないうちに、
今、目の前にあることに
コツコツと真剣に打ち込んでいこう。
「文章は経国の大業にして、
普及の盛事なり」とは、
文章に打ち込む姿勢によって、
まったく違ったものになるのだ。
もちろん、文章だけではない、
自らに与えられたこと、
それが小さかろうが大きかろうが
眼前の山をひたすら登っていく。
きっとあの医師にとっても
決断に非常な勇気を要したではあろうが、
戦時下のガザは
自分の目の前に現れた
避けて通れない山だったのだ。
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