自己否定について③
(前回よりのつづき。初回に全部で3本と書きましたが、どうやら5本くらいになりそうです)
だから、人間は自分を全面的に否定することはできない。なぜなら、自分を否定している、すなわち否定的にとらえているのはそこにいる自分なのですから。ほんとうに否定しているのなら、否定している根本を信じられないわけですから、否定そのものも根拠がないことになります。
そう考えると自殺というものも、自分を認めているからするといえるのかもしれません。自分がだめだという判断を認めているからこそ、自分を殺すことができるのです。
もちろんわたしは自殺を認めているわけではありません。自分の判断でだめだと思い、殺すのですから、じつに勝手だなとおもうわけです。自分だけの自分なんて絶対にあるはずはないのに。生きている以上、この世界の一部ですから、小さな判断で世界の一部を抹殺するのはじつに驕りだなと思います。
ただそういう方は、ほとんどが心の病だといいます。自分を否定するもなにも、死の方向へむかってしまうのですから、やはり他者の助けがどうしても必要です。ここに書いたのは、ほんのときおり死ぬほうが楽かななんて心にもないことを夢想してしまうわたし自身への叱咤激励でもあったわけです。
(次回につづく)
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