遺伝子のON/OFFとは魂のON/OFF?①
遅ればせながら、サムシング・グレートで知られるDNA研究の第一人者、筑波大学名誉教授の村上和雄氏の講演CDを聞いたり、著作を読んだりしています。
サムシング・グレートという言葉をよく使われることからもわかるように、人智では計り知れない力を認めているどころか、科学によってその解明に迫ろうという志をもち向っていらっしゃっているようです。このような科学者がいたのかというような想像以上の驚きを覚えました。
ここでその著作からガンについて書かれた一文を引用させていただきます。
ガンという病気が治療しにくいのは、発ガン因子が多様なためですが、そこに精神作用を含めた環境因子が大きくかかわっているからだと思います。ガンには発ガン遺伝子とガン抑制遺伝子があって両者のバランスが崩れたときに発病することがわかっています。
そのバランス失調は発ガン遺伝子ON、ガン抑制遺伝子OFFというかたちをとります。このON/OFFは、その人間のものの考え方によっても違ってくるように思われます。
また、ガンは環境因子が大きいといわれていますが、私にいわせれば環境は物理的な影響だけでなく精神的な影響もあります。
環境というと空気が汚れている、騒音がすごい、水がわるいといった物理的側面が強調されがちです。そういう情報が与える心理的側面も含めて、最終的には心の問題のほうが大きいのではないか、という気がします。
「人間の場合、心の持ち方いかんが環境になってくるんですね。幸福であることも、健康であることも、すべて心から出発しているんです。環境が絶対にいいからといっても、環境と個体の生命とは相互作用をしていますから、心の持ち方によって、この環境がいいと解釈すれば、それはいい環境としてとらえます。環境の良否に絶対性は一つもないわけです」
ハイポニカ農法を開発された野沢重雄さんが、私との対談でいわれたことで、私もこの考え方に全面的に賛成です。
人間のなかでは、心が非常に大きな力をもっています。野沢さんがおっしゃるように、本当によいように解釈すれば、病気だって落第だって失職だってありがたいわけです。それによって人生が深まることもあるし、人の痛みがわかることもある。そればかりか、まったく新しい輝かしい未来へのスタートになるかもしれない。長年研究をやってきて、「もうダメだ」と思ったとき、実はけっして「もうダメ」にはなっていないということが何度もありました。
自分の経験からも、それは確証に近いといえます。(サンマーク出版『生命の暗号』より)
(次回へつづく)
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