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March 06, 2009

之を楽しむ者に如かず①

中野孝次(作家、故人)は、『論語』の

                                       

子の曰く、

之を知る者は之を好む者に如かず。

之を好む者は之を楽しむ者に如かず。

                                     

を解説して、こう書いている。

                                                                                  

(前略)

わたしはどんな仕事でもそうだろうと思う。人はともかく何かに惚れること、自分が好きな事柄にのめりこみ、打ち込み、探求し、夢中になってそこに深入りするのでなければ、どんなことにでも上達できない。だがそれだけではまだ足らず、自分のすることが好きで、それをやるのが楽しくてならず、それに生涯を捧げ、それを天職とするくらいにまでいかなければ、そのことの第一人者にはなれないのだろう。

(中略)

 天職となるまでにあることが好きになるとは、自分がその中に入って毎日毎日新しい境地を研究し、深入りし、自分の研究以外に何も気にならなくなる。仕事の中での工夫や、新しい試みや、自分だけが知るよろこびや、それがすべてになるということだ。そこに他人の評価の入る余地はない。よろこびや悲しみも、人生のすべてがその中にあり、他は気にならなくなるところまでゆくことだ。そうなって初めて第一流の者になる。

(後略)

(中野孝次著『幸福になるための言葉45』より)

                                              

(次回へつづく)

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