世界的流行の前にパンデミックという言葉ありき
豚インフルエンザがWHOによってフェーズ5と指定され、“パンデミック”という言葉がにわかに脚光を浴びてきた。フェーズ5となり、パンデミック直前、パンデミックの一歩手前という使われ方をしている。
パンデミックとは「世界的流行」という意味であり、日本語に訳すと「感染爆発」となるらしい。現在、全世界で確認された豚インフルエンザの感染者が500人くらいと聞いているが、その程度の人数で「感染爆発」寸前や「世界的流行」直前といってもいいものかどうか。どうも違和感を覚える。
豚インフルエンザが世界的流行となる前に、まず豚インフルエンザやパンデミックという言葉が世界的流行となるような勢いだ。おそらく、気が早いのだが、今年の流行語大賞の1つに「豚インフルエンザ」はもちろん「パンデミック」も選ばれることが予測できる。
今後、豚インフルエンザのパンデミック(世界的流行)は免れないとしても、世界的な蔓延の前に、終始“言葉”が先行していたということは記憶していてもよいことであろう。なぜなら、「はじめに言葉ありき」と聖書にあるように、全世界の人々の観念を言葉によって形成することで、ほんとうの流行というものが、もたらされる可能性も大いにありうると考えるから。
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