静けさのない寂しさ
雑木林も野原も、畑も、柳瀬川も越えて、
関越を滑るタイヤの音が深夜1時半をおおう。
その音響は、宇宙と、床の中で眠りに落ちている
自分たちとを遮断していることに誰も気づいていない。
僕たちはいつから静寂を失ってしまったのだろうか。
哀しみさえもろくに胸に沁みることのない喧騒の日々。
市の保存樹林の葉陰で、羽毛の中に身を縮めて眠る
雀たちのようにただたえることしか
できないのであろうか。
こうしている間にCPUから絶えず機械音が流れている。
川のせせらぎには光があるが、
パソコン、携帯、水道、冷蔵庫、・・・
部屋の中の音にはどれひとつとっても
“いのち”が見つけられない。
窓を開けると、冷気とともに高速や国道の
アスファルトからはがれるゴムタイヤの
感情のない音がまた差し込んできた・・・。
静けさのない寂しさに慣れている自分を
今日はじめて知った・・・。
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