May 10, 2009

忌野清志郎さんの「棺を蔽いて事定まる」

9日に忌野清志郎さんの「葬儀式」があったそうだが、亡くなられてはじめて人柄の一面をテレビで知った。
  葬儀の場であれほど友人に号泣される人間はどれくらいいるだろう。よほど人を包み込むような温かい人柄であったのだ。反骨精神はまだ想像つくにしても思いもよらないことであった。歌さえも意識して初めから終わりまで聞いたことはなかった。

おそらく自分は、彼のド派手な衣装や独特の歌声にとらわれていたのだ。

「棺(かん)を蔽(おお)いて事定まる」とは、亡くなってようやく肩書きや見た目など余計なものがすべて取っ払われるということだろうか。

棺桶におおわれてようやく、その人のあるがまま裸の姿が見え始めてくるというのはとても残念なことである。もっと人間を学びたい。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

リンク: 忌野清志郎さん「葬儀式」 ファン4万人以上が参列 - 速報:@niftyニュース.

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April 05, 2009

絢香と水嶋ヒロの電撃結婚!~不遇と表現の関係性~②

(前回よりのつづき)

4月4日(土)の朝日新聞朝刊には2人の結婚を報じた上でこう書いている。

(前略)絢香さんは、病気療養のため来年からしばらくの間、歌手活動を休止することも明らかにした。甲状腺機能に異常が出るバセドー病で、デビューして間もなく発症したという。涙を浮かべながら「どうしても歌いたいと思っていたので(病気は)公表しないでいた」と話した。(後略)

とある。たまたま、その朝(44日)、手紙を書くのに「変わらぬご厚情をお願い申し上げる」の「厚情(こうじょう)」という文字を広辞苑で調べていたところ、その同じページのすぐ上の段に「甲状(こうじょう)」が出ていた。そこに、「甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)」があり、意味がこう書かれていた。

甲状腺ホルモンの過剰分泌によっておきる病症。バセドー病が代表的。発汗増加、食欲増進、倦怠、体重減少、筋力低下、頻脈、手足のふるえなどがあり、いらいらして落ち着きがない。

 絢香も苦しみを抱えて生きていたのだ。ようやく、若さや見た目には似合わないあの歌声が腑に落ちた。

(次回へつづく)

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April 04, 2009

絢香と水嶋ヒロの電撃結婚!~不遇と表現の関係性~①

「電撃結婚!水嶋ヒロ」

昨日(43日)、家族で電車に乗っていたら、どこかのおじさんが読んでいるスポーツ新聞の一面に、こう文字が踊っていた。

おじさんは見かけによらず律儀な人なのか、座席で新聞を折り曲げて読んでいる。だから、われわれからは一部分しか見えない。

わたしは妻にいう

「水嶋ヒロって誰?」

「仮面ライダーカブトの人よ。今、人気あるの」

「ええ?彼の結婚だけで一面にのっちゃうの?きっと、相手も人気がある人で、ビッグカップルなんだよ」

「そうかなあ。今、水嶋ヒロもかなりの人気よ」

「いくらなんでも、結婚して彼一人だけでスポーツ新聞の一面にのるほどの俳優になったとは思えないな」

と私。スポーツ新聞はおじさん向けなのである。どれだけの(私も含めて)おじさんが水嶋ヒロのことを知っているだろうか。それに、彼のことはよく知らなかったが、私は一応、業界(テレビなど放送業界)にいた者である。しばらく離れているがまだ、そのへんのカンは衰えていない。

 おじさんが新聞を開いた。すると、

「絢香」

とあった。水嶋ヒロが向って左、絢香が右。ポジション的に右は前ということ。

「ほらね。相手が絢香ならわかるよ」

                                           

絢香(歌手)の歌声は、昨年の紅白で聞いた。たしか「三日月」だったかな。二十才そこそこの娘が、歌唱力は別としてなぜあそこまでのハートを出せるのだろうか。これも才能なのか、それにしても才能だけで表現できるものなのだろうかと疑問に思った・・・。

たとえば、年齢は少し上だが同世代の歌い手に「友達の歌」の中村中がいるが、彼女は性同一性障害と向き合って生きてきた。その不遇、苦しみの中で生まれたのが「友達の詩」をはじめとした彼女の人の心を打つ歌の数々であろう。一方、絢香のほうは画面で見る限り、元気いっぱいな明るい二十才の女の子である。

                                            

ところがちがっていたのだ・・・。

                                        

(次回へつづく)

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March 08, 2007

頽廃と驕りの日本~ある歌手に想う

                                                        

森進一は堕落している。

もう駄目ではないか・・・。

                                                                                                                 

それは、著作権に触れたということではなく、

あの「おふくろさん」の歌詞に、

あのフレーズをつけ、

たとえ、自分がつけたのではないにしても

何年間も歌い続けたという感覚がどうみてもおかしい。

しかも、今に至っても、そこに対する反省があるとは思えない。

(テレビのワイドショーやニュースで見る限りだが・・・)

                                                                                                           

本来の「おふくろさん」の心と

まったく違うではないか。

なぜ、それがわからないのか。

                                                    

極貧から身を起こして、弟や妹を1人で育て、

歌手になったというが、

その頃のことをすっかり

忘れてしまったのではないか。

                                                          

これは、森進一だけの問題ではない。

                                                          

戦中・戦後の貧しい中から復興を遂げ、

豊かになったわれわれ多くの日本人、

―たとえ、戦中・戦後を体験しなくても同じことだ―

われわれ日本という国は

頽廃と驕りの中で、一番、大切なものを忘れてしまったのではないか。

                                                      

森進一が現在の日本の姿であるように見えて仕方がない。

                                                                                        

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December 17, 2006

苦節15年

ある演歌歌手の街頭コンサート

「苦節15年ようやくこの歌のヒットで

大輪の花を咲かせた演歌歌手、○×△◇さんが

歌います!~~~」

それを見ていた酔っ払いの老人ホームレス。

「べらんめえ。苦節15年だと。

たったそんくれえで、つべこべ

ぬかすんじゃねえ。

俺を誰だと思ってんだ

一生、苦節だ。覚えとけ!」

                         (作・百太郎)

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